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Channel: misasa104の海外ドラマ日記
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海外ドラマ Netflix『運命の7秒 / Seven Seconds』

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Huluで配信中の『運命の銃弾』を途中挫折した私は、このドラマを見る気になれませんでした。けれども、アメリカ版『The Killing』のショーランナーが製作したというので、見てみることにしました。

このショーはタイトルは「7秒」ですが、実際には10時間にも及びます。これがとんでもなく長く感じられました。オープニングシーンで事故は瞬く間に起こりますが、それ以降はずっとのろのろとしたペースで動きます。そう、挑発的なスタートを切ったものの、キャラクタ設定はフラット、物語は蛇行し続けます。

以下、ネタバレあります。注意してください。

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Seven Seconds | Netflix Official Site

ルーキー警官ピーター・ヤブロンスキー(ボー・ナップ)は、妊娠中の妻に会うため、車で病院に向かっています。彼女に問題が起きたのではないかと心配し、自ずとスピードも速くなります。そして、自転車で公園を通り抜けようしていた黒人のティーンエイジャー、ブレントン・バトラーを撥ねてしまいます。彼は911には電話せず、麻薬捜査班の仲間を現場に呼び、事故を報告します。最初こそ、ヤブロンスキーは自主するつもりでいました。

しかし、ユニットのリーダー、マイク・ディアンジェロ(デビッド・ライオンズ)は、この事故を隠ぺいすべきだと主張します。そうしなければ、黒人コミュニティとメディアの両方から糾弾されてしまうと言うのです。説得されてヤブロンスキーはしぶしぶディアンジェロに同意することに。

その頃、その場にいた誰もが死んだと疑わなかったブレントンは息をしていたのです。

一人息子が事故に遭い悲しみにくれる母親はラトリス・バトラー(レジーナ・キング)。家族には、勤勉で敬虔な夫イザヤ(ラッセル・ホーンズビー)とイザヤの弟で帰還兵のセスがいます。彼らは、様々な方法で悲しみを抱きしめて戦います。 

地方検事補のKJ ハーパー(クレア=ホープ・アシティ)がこのケースを担当することになります。最初はおざなりに処理するつもりでしたが、途中で何かがおかしいと感じ、ジャージーシティの警官、”フィッシュ” リナルディ(マイケル・モズレー)と事故を深く掘り下げて、真実を明らかにしようとします。

 #私だけかもしれませんが、ラトリスとKJが 似ていて混乱しました。どちらも黒髪、同じくらいの身長、地味な服装で、悲しみに暮れています。

ショーは、子どもを失ったバトラー家、とりわけ母親の悲しみと、ヤブロンスキーの不安やパニックに焦点を当て、時間を費やします。このメリハリのない長いメロドラマにメスを入れるべく登場したのがKJかと思っていたら、彼女も個人的な問題を抱えていました。あぁ、そして彼女はアル中というタグまでついているではありませんか。

暗闇の中でいくつもの傷心スパイラルが長々と続き、演出がこれ見よがしでイライラします。キャストの(たぶん優秀な)パフォーマンスはもはや空回りしているようにかみえず、私の中にあったシンパシーは徐々にしぼんでいきます。

 

とにかく登場人物の一人ひとりが紆余曲折あり過ぎて、時間がとられます。KJはストレスからアルコールやベッドに逃げ出します。そして、それが原因で仕事に支障をきたしても特に反省はないようです。そして、ヤブロンスキーは、あぁ、父親がDV男で悲惨な家庭環境で育ったこと、ブレントンには、あぁ、秘密の生活があったことなどもわかります。

そういえば The Killing の犠牲者も秘密を抱えていたんでしたっけ。そして「7秒」と同じく物語の進行はスローペースでしたね。 唯一の目撃者で薬物中毒の女子高校生ナディーンは、あぁ The Killing のシーズン3に出てきた同じようなキャラの焼き直しでしょうか。

 

事件は早々と解決できたかもしれないですが、主要な人物たちは独りよがりな行動をとり、このショーをなんとか長引かせようと余念がありません。

 

KJの上司にあたる検事は、彼女を愛人にしたことはあったものの、仕事上のサポートはしていないようでした。KJはまたも孤軍奮闘し、ストレスフルに。人種差別の暴動が全国ニュースになり、マスコミの注目を浴びている裁判なんですけれどもね。

また、どうでもいいことかもしれませんが、ヤブロンスキー側に付いた女性弁護士の服装にも違和感があります。偏見が問題視されている裁判で、あの服装はどうなんでしょう。成功している優秀な弁護士なら、もっとTPOに合わせたコンサバの服を着ても良さそうなものですが。

最後の判決については、陪審員の人種が偏っているようにも感じましたが、こんなものだろうと思います。これ以上何を期待しろというのでしょう。大ドンデン返しとか?このショーにそれを求めますか。

 

結局のところ、私にとってこのドラマは目新しいものはなく、どこかで見たことのある手垢がついたスクリプトを繋ぎ合わせたようにしか感じられませんでした。また現代の都心で起きた事件にしては、ずさんな隠ぺい工作と殺人事件で、リアリティに欠けているのではないでしょうか。

 

関連記事:

母親役のレジーナ・キングの出演作:
サウス・ランド

父親役のラッセル・ホーンズビーの出演作:
グリム シーズン3

 


海外ドラマ 『ザ・テラー 極北の恐怖 / The Terror』

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Amazonプライムビデオで見ました。ある日、作品リストにインパクトのあるサムネイル画像が追加されて、気にはなっていたんですが、ジャンルがホラーだったので、見ようかどうしようかとしばらく逡巡するも、結局は見てみることにしました。 そして意外にも強く引き込まれました。見る人によってとらえ方は様々だと思いますが、私はホラーというよりはむしろ遭難した男たちのサバイバル物語として見ました。

 

19世紀に129人全員が行方を絶った英国のフランクリン探検隊のことを知っている人もいると思います。英国艦のテラー号とエレバス号は、北極探検で北西航路を探索するために航海に出発します。しかし、その船は1845年に出発してから再び姿を見せることはありませんでした。2隻の難破船は、2014年と2016年まで発見されず、1世紀半の間、さまざまな憶測を生みました。

19世紀に消えた北極探検船テラー号ついに発見 | ナショナルジオグラフィック

 

このドラマは、このフランクリン遠征にインスパイアされたダン・シモンズの小説をベースにした10話完結のAMCミニシリーズです。実在の人物に基づいているキャラクタは登場しますが、プロットは脚色されています。

#AMCといえば『ウォーキング・デッド』ですよね。最近シーズン8の後半をFOXで放送していましたが、途中から見ていません。面白いですか?見続けることに忍耐を強いられているような気がしてならないのですが。

以下、ネタバレ含みます。

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The Terror Season, Episode and Cast Information - AMC

エレバス号には遠征隊を率いる隊長ジョン・フランクリン(キーラン・ハインズ)と副官のジェームズ・フィッツジェームズ(トビアス・メンジーズ)が乗船しています。一方のテラー号の艦長はアイルランド人のフランシス・クロージャー(ジャレッド・ハリス)です。航海に出てから、すでに1年以上が経過しており、リーダーミーティングのたびに上官たちはボートに乗って片方の船に移動します。

隊長らを招いたテラー号での会食の様子で、陽気で若いフィッツジェームズと暗いクロージャーの間には深い溝があることがわかります。職場ではよくあることです。ジェームズがクロージャの陰口をたたくと、フランクリンはそれを柔らかく窘め、クロージャーの名誉を傷つけないようにします。

クロージャーは酒飲みで、依存しているのは明らかです。そして、何かに傷ついているようでした。けれども、誇り高くあろうと努力しています。また、遭難する可能性を鋭敏に感じ取り、氷点下で孤立することを本気で心配している唯一の人でもあります。

 

会食の日と同じくして、シリーズ最初の犠牲者が出ます。若い船員デビット・ヤングが血を吐いて突発的に倒れます。外科医 "グッドサー"は、患者を治療し慰めますが、彼が亡くなると解剖し死因を究明しようします。彼こそは、このシリーズで最初から最後までぶれない他人のことに心配れる人でした。

紺碧の海に囲まれた船のシーンは美しいですが、海上ではすぐに次の犠牲者が出ます。偶然起きた災難ですが、不穏な空気が漂い、緊張は悪化します。

 

その後、クロージャーが代替ルートを取るように勧めたとき、フランクリンはそれを一蹴します。それは、組織トップの人にありがちな傲慢からくるというよりは、楽観主義に由来したものだったように思います。

ヤングが隊長のことをまるで父親のように慕っているようだったことから、フランクリンはクルーたちから信頼されているのだと想像できます。

また、テラー号で倒れたヤングをエレバスに運ぶように言ったのは、死因が特定したときに自分が先に知る責任があると考えたからかもしれません。その頃、船内では壊血病にナーバスになっていたためです。

彼は常にリーダーとして、クルー達の士気が下がらないように努めていました。明るく前向きなトップ像を実践しようとしていたのではないでしょうか。

 

しかし、ついに、彼らは立ち往生しています。彼らは寒さ、飢え、病気に晒され、さらにはもっと恐ろしい影に怯えるようになります。どこまでも続く北の空、白く凍った海、そして不気味な静けさの壮大なショットは、ドラマの域を超えて驚異的です。そのような自然の中では何が起きてもおかしくないような気さえしてきます。

けれども、私はエスキモーの神話に出てくるような「トゥンバク」よりも、もっと恐いものがありました。この物語の本当の恐怖は、文明化された男性の内側にあるものではなかったでしょうか。

 

このドラマにキャスティングされているのは、何人かのスターとあまり知られていない英国俳優たちです。実際、薄暗い中で、白肌に赤く焼けた頬、髪も髭も伸び放題の隊員たちは、誰が誰だかわからなくなってしまうことも。ですが、物語に必要な場面ではちゃんとわかるようになっています。

 

海外ドラマ『イン・ザ・ダーク』そして『アブセンシア』の苦悩する男たち

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BBC作のUKドラマ『イン・ザ・ダーク』と、アメドラ『アブセンシア』は、両方ともフーダニット型のミニシリーズです。主人公はどちらも女刑事、そして、パートナーの男性は苦悩します。

 

イン・ザ・ダーク In The Dark 

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BBC One - In the Dark

スパドラで見ました。上の写真を見て、この女性が誰だかわかった人は、「リッパー・ストリート」ファンではないでしょうか。スェーデン出身のマイアンナ・パーリングです。

全4話、2話で1つの話しになっています。英ベストセラー作家マーク・ビリンガムの小説が原作です。すっかり忘れていたんですけれど、ドラマ『刑事トム・ソーン』もビリンガムでしたね。

さて、『イン・ザ・ダーク』の主人公はマンチェスターの刑事ヘレン、同僚で恋人のポールと暮らしています。最初のエピソードで、ヘレンは妊娠したことをポールに打ち明けます。ポールは心から喜び、幸せオーラが全開しているようでした。

そんなとき、ヘレンの故郷で連続少女誘拐事件が起きます。その容疑者が、ヘレンの親友リンダの夫だったことから、リンダの力になろうと帰郷します。しかし、そこにはヘレンが忘れたくても忘れられない過去がありました。

妊娠中の恋人を心配してついて来たポールは、ヘレンの異変に気づきます。ついにヘレンが暗い過去を打ち明けたとき、彼はヘレンを温かく抱きしめます。

しかし、後にヘレンがお腹の子の父親がポールなのか浮気相手(これまたイケメンの同僚なんですが)なのか、わからないと打ち明けたときには、彼は平常心ではいられなくなります。ショックと怒りでヘレンを拒絶します。

私は「ポール、どうする?」という気持ちでこのドラマを見ていました。3話目では、ヘレンは臨月に入っています。大きなお腹を抱えたヘレンは、ポールとの暮らしを続けていました。

ポールは、目の前にいる恋人を無条件に愛したいと思いますが、子どものことを考えると複雑な心境になります(当然ですわね)。彼は一層仕事にも励み、子どもをどうするか決意したように見えました。

 

ドラマでは、生まれた赤ちゃん(お腹の大きさから双子かと思いましたが、実際には一人だった)の父親は明かされませんでした。シーズン2はあるのでしょうか。

 

 

アブセンシア Absentia

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https://www.absentia.tv/

もともとは3月にWOWOWで放送していたみたいなんですけれど、見逃していました。最近再放送をしていたので、録画しました。こちらは全部で10話、全編通して暗いでーす。

私は見たことがないんですが、人気ドラマ『キャッスル』のスター、ケイト・ベケットが主演です。そして、さすがはアメドラ、シュッとした俳優たちがキャスティング(というと、UKドラマはそうじゃないみたいですが)されています。

FBI捜査官エミリーは連続殺人事件の捜査中に失踪、その6年後に瀕死の状態で発見されます。6年というのは長いです。その間に、同じくFBI捜査官である夫ニックは、別の女性と結婚し、8才に成長した息子フリンは実母のことは忘れ、新しいママに懐いています。

ニックは新旧の妻たちの間で苦悩します。もちろん、エミリーも新しい妻もそれぞれの立場で苦しみます。私は「ニック、どうする?」という気持ちだけでこのドラマを見ていました。ニックはこのとんでもない状況に、なんとか対処しようと努力しているようでした。が、途中からは何を血迷ったか、間違った犯人を追うようになります。

そうなると、ニックに同情を寄せていた視聴者はもはや彼の味方ではいられなくなります。そんな視聴者を代弁するように、エミリーの父親が歯に衣着せぬ言葉でニックを責めます。

私は物語半ばに仕掛けられたミスリードにもうまく乗れず、ドラマがまぁまぁ長く感じられました。それにね、なんといっても、現実離れしていてねー。拉致後、6年も生かしておいて、そのあと開放します?

もし次シーズンがあるとすると、ニックには今の妻との間に子どもが生まれ、エミリーには新恋人ができて(あのボストン警察の刑事では少々力不足でしょうか)、FBI捜査官としてバリバリ仕事をしているというのはどうでしょうか。誘拐時のフラッシュバック・シーンはなしで。

 

海外ドラマ Netflix『Happy!』そして『ウェット・ホット・アメリカン・サマー: キャンプ1日目』

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Netflixのトップ画面に表示された予告編を見たら、釘付けになりそのまま1話目を見ました。何も知らずに見たのですが、主人公が『Law & Order SVU』のクリストファー・メローニだと気づくのにそれほど時間はかかりませんでした。

漫画が原作なので、いかにもアメコミっぽくて楽しめます。けれども、小さくてポップな青いユニコーン(というか見た目はロバ)が出てくるからと油断して、子どもと見てはいけません。クレイジーで、グロテスクで、大人シーンが満載です。監督・脚本が同じだけあって、映画『アドレナリン』を彷彿させるようなシーンもあります。

このドラマを見続けたのは、タイプキャストから大きく外れたコミカルなメローニが見たかったから。もろ好み、好きです。彼の走り方もコミックそのもの。すごくハマっていると思います。

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Happy! | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

お金のために暗殺の仕事を請け負っている元警官ニック・サックス(メローニ)は堕落した生活を送っています。一仕事を終えた後に心臓発作で倒れたニックは、病院で小さい青い馬が飛んでいるのを見ます。話しをきけば、ヘイリーという名前の女の子が誘拐されたので、助けてほしいと言うではありませんか。

最初こそ、死に際に見る幻覚だと相手にしなかったニックですが、あることをきっかけにその存在を確信するようになります。その馬の名前は「Happy」!

ニック以外にはHappyが見えないので、誰かがいるところで会話する必要があるときは「今から、見えない馬と話すぞ」なんてお断りを入れるあたりがかわいい。

私は目的がメローニなので、画面にニックが登場しないシーンは少々退屈でしたが、最後まで見ました。ラストがどうなるか想像できていたにも関わらず、 ヘイリーと会ったときの彼をどうしても見たくてー。最後のシーンは最高にかわいいです。え?もちろんクリストファー・メローニが。

 

実はコミカルなメローニは、Netflixで配信している『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』というとんでもドラマでも見ることができます。これは2001年に米国で公開された同名映画をドラマ化したミニシリーズで、サマーキャンプ初日を描くドタバタコメディです。

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ウェット・ホット・アメリカン・サマー: キャンプ1日目 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

キャンパーの中に、明らかに40代くらいの俳優が若者として(ええ、ティーンエイジャーの恰好をしています)混じっているので、何も知らずに見ると少々混乱するかもしれないです。これは2001年で演じていた俳優がそのときの役をやっているからなんです。

しかも、そのメンバーがとってもゴージャス。映画公開時には無名だった俳優たちしっかり出世したというわけです。あのブラッドリー・クーパー(『アメリカン・スナイパー』)やポール・ラッド(『アントマン』)、エイミー・ポーラー(『インサイド・ヘッド』)など、もっといます。それもみんなしょーもない役どころで。ほんと、何やっちゃってんのよ(と、画面に向かって何度言ったことか)。

それだけじゃありません。あのジョン・ハム(『マッドメン』でエミー賞受賞)、クリス・パイン(『スター・トレック』シリーズ主演)、ジェイソン・シュワルツマン(有名なコメディアン)クリステン・ウィグ(『ゴースト・バスターズ』)など、すごい顔ぶれがゲスト出演しています。

悪趣味なんだけど、ゲラゲラ笑いながら見ました。心をデトックスしたい方はどうぞ!

海外ドラマ『ブロードチャーチ3〜殺意の町〜 最終章』

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WOWOWで放送していたのを録画して見ました。最初に見たときは、次シーズンがあるとは思えませんでしたが、シーズン3まできましたね。そして、このシーズンをもって終了でしょうか。もっとデイヴィッド・テナントとオリビア・コルマンの名コンビを見たい気もしますが。

以下ネタバレあります。犯人は書いていませんが、ストーリーには触れています。

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Broadchurch | BBC America

アレック・ハーディ(テナント)とエリー・ミラー(コルマン)は、親友の誕生日パーティーの後に49歳のトリッシュ・ウィンターマン(ハッピー・ヴァレーのS2で浮気相手の女性にひどい目にあう刑事の妻だった人です)をレイプした犯人を追います。

トリッシュが多くを話さない代わりに、レイプキット、証拠収集、聴取、知人からの厳しい扱いなど、レイプ被害の余波がドキュメンタリー・タッチで描かれます。被害者は打ちひしがれて一気に何歳も歳をとったように見えます。

実際、最初に画面に登場したトリッシュを見たとき、実際の年齢よりもずっと歳をとっていると感じました。あとで、実際の年齢を知ったときは驚きました。

 

ハーディはせっかち(犯人が野放しでいることに焦っているということもあります)で、いつも気分が悪く何かに怒っているように見えます。一方で庶民的で人情派のミラーは、必要なときに彼を叱ったり慰めたりします。二人とも十代の子どもを育てるために、ときに悩み、自分のやり方で努力しています。

二人がトリッシュの自宅を訪れたとき、ミラーが別の部屋に行っている間にテナントが早速トリッシュに話しをきいているのを見て、ミラーは苦言を呈します。「まずはお茶を入れて飲むの!」。私もそう言おうと思っていたところです。

 

最初のシーズンで起きた11歳のダニー・ラティマーの死は海辺の町を震撼させましたね。あれから時を経た今でも町はダニーのことも忘れていません。

ダニーの父親マーク(アンドリュー・ブキャン)は、無力感と前シーズンで出た無罪判決に苦しんでいます。そのことで、妻ベス(ジョディ・ホイータカー)との距離は広がります。ベスは他の人を助けるためにケアワーカーとして働き、トリッシュのカウンセラーとしての目的を見出そうとしています。 

 

今シーズンの事件の被害者トリッシュと親友キャスとの間で交わされる会話は興味深かったです。ある事実が判明してからのそれは、同姓としてかなり苦々しい思いで見ていました。女性同士の友情、裏切り、確執、そして寛容は、かつてエリーとベスが今の関係を築くまでにどれほど多くの時間が必要だったのかを思い出させてくれました。

 

もし、見逃した方がいたら、5月30日、31日に再放送が予定されています。
WOWOWオンライン

 

関連記事:海外ドラマ『ブロードチャーチ 殺意の町』 

 

海外ドラマ Netflix『SAFE 埋もれた秘密』

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これもNetflixのポータル画面でやっていた予告編を見て、そのまま本編を見たパターン(まんまとNetflixの戦略にはまってますねー)です。マイケル・C・ホールを見つけて、「再生」ボタンをクリックしました。

ちょうど少し前から、Amazonプライムで『シックス・フィート・アンダー』(以下、シックスフィート)を見始めたところでした。シックスフィートは2001年から始まったHBO作のドラマシリーズで、スパドラで放映されていたらしいですが、当時はまったく知らなかったです。舞台となる葬儀屋を営むフィッシャー家の次男をマイケル・C・ホールが演じています。なんか不思議なドラマです。

ホールの知名度はどちらかというと『デクスター 警察官は殺人鬼』のほうが高いかもしれません。シックスフィートが終了した後、2006年からスタートしたシリーズで、8シーズンも続きました。デクスターと妹のデボラを、顔も中身も濃ゆいなぁーと思いながら見ていました。

さて、SAFEは何の情報も持っていなかったので、最初は少々混乱しました。アメリカの俳優マイケル・C・ホールのほかにアマンダ・アビントン(『シャーロック』)が出てきたせいです。ここはアメリカ?イギリス?どっちなのと。その後に、プール付きの立派な家に住むマーシャル家のパパ、ジョジョ(ナイジェル・リンゼイ)がこてこてのブリティッシュ・アクセントで話すのを聞き、たぶんイギリスなんだろうね、という結論に至りました(間違っていなかったです)。

英国俳優がアメドラやアメリカの映画に出ることは多いですが、その反対のパターンは珍しいような気がします。そして、ホールとアビントンって、かなり意外性のある組み合わせだと思いませんか。

ホールはアクセントを変えて英国に溶け込もうとしていましたが、ネイティブの人から見たらどうだったんでしょうね。もちろん、私の英語力では何の違和感もありませんでしたがー。

以下ネタバレしないように書いていますが、ストーリーには触れています。

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SAFE 埋もれた秘密 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

妻レイチェルを病気で亡くした外科医トム(ホール)はゲーテッド・コミュニティにある高級住宅地で2人の娘を育てています。妻の葬式の回想シーンで、トムは娘ジェニーにそっと謝っていました。それに対する娘の返事は「そうね(Yeah, right)」。母の死を通して、父娘の間には亀裂が生じたようです。

ある日、16歳の長女ジェニー(エイミー・ジェイムス・ケリー)とそのボーイフレンドのクリスはパーティに参加した後、行方がわからなくなります。翌朝、娘が帰宅していないことに気づいたトムはパニックになり必死に娘を探します。幸運なことに、彼には助けてくれるピート(マーク・ウォーレン)という友人がいました。ピートはトムと同じ軍にいたこともある同僚で、二人はまるで刑事のバディのように(実際には二人とも医師なんですけれどもね)、パーティ後のジェニーの足取りを追います。

そしてもう一人の友人は、ソフィー・メイソン(アマンダ・アビントン)、こちらは本物の刑事です。メイソン家とは何年も前から家族ぐるみで付き合いがあります。現在、彼女は夫と別居し、トムとは友人以上の関係になっています。トムとソフィーはジェニーの捜索に関する情報を共有します。

最近になり、ソフィーの下に新しい部下(ハンナ・アータートン)が増えました。エマは都市部から転勤してきた若い女性です。自ら移動願いを出したその背景には、何か明確な狙いがありそうです。

 

物語の進行がもたもたしないのがいいです。各エピソードの最初には、それまでの回で解き明かされた事実が映像でフラッシュバックされ、またエピソードの終わりはクリフハンガーというパターンはわかりやすいです。

後半からは謎を知りたい一心で一気に見ました。私は、後々になってジョジョが白状したことで、犯人がわかってしまいました。皆さんもわかりましたか?

なので、その後の展開として、犯人がもっと悪あがきするかと期待していたんですけれど、そうはならなかったですねー。

#私はこのドラマを見ながら、"Everybody lies."と言うDr.Houseの顔を何度も思い浮かべました。 

 

年齢を重ねると、からだのフォルムってやっぱこうなるよねーと先日書いた『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』を自嘲気味に見ていた私ですが、マイケル・C・ホールは、シックスフィートからあまり変わっていないようでした。

そのホールは、このドラマに続きはないと公言しているようですが、ぜひ次シーズンを作ってほしいなぁ。トムの友人ピート(パフォーマンス良かったです)の今後も見たいですし。

 

海外ドラマ Hulu『ヒューマンズ』

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このドラマ『ヒューマンズ』が、アンドロイドを描いたものということくらいは知っていました。それで、SFが少々苦手の私は避けていたんですが、ついに見たいクライムドラマがなくなり、Huluのポータル画面のスライドショーにあった(新しくシーズン2が配信となったから)『ヒューマンズ』を見てみることにしました。

いつもながら、何も知らずに見たわけですが、アメドラと思い込んでいたら、舞台はロンドンでした。それで俄然興味が湧いてきました。私のイギリスドラマに対する信頼は高まっているようです。実際、見始めたら、ほんとうに途中でやめられなくなりました。このドラマに入り込んでしまうと、思いがけず泣いてしまうことがあるかもしれません。

 

調べてみると、これはスウェーデンドラマ『Real Humans』をリメイクしたものだということがわかりました。そして、ハラハラ緊迫するシーンはまるで『MI-5 英国機密諜報部』みたいだなぁと思っていたら、脚本がMI5を担当していた人と同じなんですね。

 

ドラマの中心は 「シンス」と呼ばれるアンドロイドで、これが素晴らしく良く出来ています。何人かの人間とシンスが同じフレームに収まっているシーンでも、どれがシンスなのかは一目瞭然です。

スェーデン版のトレーラーをYouTubeで見たのですが、オリジナルのほうがアンドロイドの見た目が作り込まれていて、よりSFっぽく感じました。こちらの英国版は、シンスが絶妙に人間らしく作られています。

これは、可能な限り人間に近づけた近未来ロボットというコンセプトなのかもしれません。さらには、シンスの言動もさもありなんと思えるのだから、いかによくできているか想像がつくでしょう?私はSFを見ている気がしませんでした。

以下、少々ネタバレ含みます。 

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Humans - All 4

弁護士のローラ(キャサリン・パーキンソン)が仕事で家を空けている間、夫のジョー・ホーキンス(トム・グッドマン・ヒルは、家事の手伝いと3人の子どもの世話のため、人間型AIロボット"シンス"を購入します。ローラが常々「シンスは子どもの教育によくない」と口にしていたにもかかわらず、です。

ローラが出張から戻ると、シンス(ジェミマ・チャン、魅力的です)がいて、家の中がきれいになっていることに驚きます。そればかりか、末っ子の娘ソフィー(ピクシー・デイビスが自分の知らないシンスに懐いていることにショックを受けます。ティーンエイジャーの長女マティー(ルーシー・カーレスはローラとは別の理由で、シンスに対して良い印象を持っていませんが、マティの弟トビー(テオ・スティーブンソン)は、一緒に暮らす魅力的な女性を持つことに興奮します。

その後、家族で話し合った結果、とりあえず使ってみて、ダメなら返品しようということになります。そして、シンスの名前をアニータと決めました。

 

謎の青年レオ(コリン・モーガン『魔術師マーリン』いい味出してます)とマックス(アイヴァン・ジェレマイア)は離ればなれになった仲間を探しています。マックスはシンスなんですが、どこかシンスらしくありません。

フラッシュバックシーンでは、レオたちが森の中にいたとき、いくつかのシンスが何者かに拉致されてしまいます。その後フレッド(シンス)は、シンスが人間的な性質を持つことを恐れている科学者グループによって検査されます。そして、アニータ(そのときの名前はミア)はリサイクルされたようです。

 

一方、ロンドンの別の場所では、かつてはシンス開発に携わっていた元科学者ジョージ・ミリカンウィリアム・ハート、役にぴったり)が、壊れている旧式シンスのオディ(ウィル・テューダー、素晴らしい!)を大切にしています。なぜなら、オディは、今は亡き妻のことを思い起こさせてくれる唯一の存在だからです。確かにオディは妻との思い出を記憶領域に保存しています。

しかし、地元の保健機関は古いシンスを回収し、無料でアップグレードするといいます。ジョージは新型モデルの介護用シンスレベッカ・フロント『ルイス警部』)を受け入れたものの、オディが廃棄されないよう彼を隠します。

 

私は、今シーズンの最初と最後とで、中産階級のごく普通の家族ホーキンス一家に寄せる印象が変わりました。それは、はい、より良いほうに。いくつか謎や疑問が残っていますが、それは次シーズンで解消されるでしょうか。

現在、シーズン2がHuluで週1配信されています。引き続き、私も見るつもりです。

 

海外ドラマ Netflix『エイリアニスト / The Alienist 』

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このシリーズは豪華キャストが共演していることで、公開される前から話題になっていました。なので、公開と同時に見始めたんですが、最後まで見るのに時間がかかってしまいました。なぜなら、このドラマを見始めると必ずといっていいほど、寝落ちしてしまったからででーす。それで1話を何日もかけて見たりしていたんですが、しばらくは見るのをやめていました。

物語としては昨年の『マインドハンター』と少し似ているかもしれません。マインドハンターは1970年代でしたが、こちらは更に1896年にまで遡り、現代の犯罪学の起源を探ります。ゴージャスでゴシック様式のコスチュームは『リッパー・ストリート 』のよう、そして街の雰囲気は『The Knick』のようです。

また、『マインドハンター』でもそうでしたが、実在の人物と架空のキャラクタが混在して出てきます。たとえば、セオドア・ルーズベルト(大統領になる前の警察長官)、J.P.モルガン(モルガン財閥の創始者)やビフ・エリソン(ギャングのボスらしい)など。さらに『リッパー・ストリート 』(1889年)のアメリカ人外科医ホーマーが試みたように、ここでも革命的な新技術として指紋法などを取り入れる姿が描かれています。

ね?もろ好みって感じがするでしょう?でも、見ていると寝てしまうんですよねー。疲れているだけでしょうか。

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エイリアニスト | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

シリーズは、ウィリアムズバーグ橋の建設現場で、まだ少年の女装した男娼の遺体が発見されたことから始まります。殺人事件のニュースを聞きつけると、精神科医ラズロ・クライズラー(ドイツ出身のダニエル・ ブリュール)は、友人でニューヨークタイムズイラストレーター、ジョン・ムーアルーク・エヴァンスを現場に出向かせます。

ムーアは夜間活動(売春婦とのロールプレイング!)から引き離され、殺人事件へ向かいます。ムーアから入手したイラストを見たクライズラーは、自分の患者であった少年とその妹が殺された事件を思い出し、同一犯の仕業だと確信します。

 

新たに警察本部長に任命されたセオドア・ルーズベルト(ブライアン・ジェラティ)は、当時の腐敗した警察体質の改革を望んでいる唯一の公務員です。殺人犯が再び凶行に及ぶ可能性が高いと考えた彼は、クライズラーたちに秘密裏に調査することを許可します。ルーズベルトとクライズラー、それにムーアはハーバード大学時代からの友人でもありました。

#シャーロックホームズのように警察外部への捜査協力はフィクションではよくあることです。シカゴPDで降板したブライアンがルーズベルトをしていて嬉しくなりました。PDのときにはすごく若いと思っていたのですが43歳なんですね。

 

クライズラーはチームを組み立て、本格的な捜査に乗り出します。ハンサムなムーア以外にチームに参加するのはサラ・ハワードダコタ・ファニング、大人になりましたね)。初のNYPDの女性職員で、ルーズベルトの秘書をしています。彼女はタイプライターで書類を作成するよりも、刑事のように事件を追うほうが合っているようです。当時のこれ見よがしの女性ハラスメントにも動じず、自宅でコルセットをはずした後、優雅にタバコを吸っているような女性です。そして双子だけれども全く似ていない捜査官、アイザックソン兄弟(ダグラス・スミスとマシュー・シアー)によって、最先端の法医学専門知識が提供されます。 

#チームメンバー、一人ひとりを見れば、かなり魅力的です。こんなチームで仕事がしたいものです。

素敵なんだけれど、キャラクタの魅力が最大限に引き出せていない気もします(ってかなり上から目線です、すみません)。自分を知ることが大事なのはわかりましたが、それぞれが辛かった過去に向き合うために時間を費やします。#それってそんなに必要なのことでしたか?

私は、どこかミステリアスで静かなメイドのメアリー・パーマークオリアンカ・キルヒャーが好きでした。彼女は話せないので誰とも対話はしませんが、他のキャラクタがする散文的なスピーチや独白よりも、彼女の表情だけで奥深い情感が伝わってくるようでした。#皮肉ですよねー!?

 

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海外ドラマ Netflix『女刑事マーチェラ / Marcella』シーズン2

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ロンドン旅行のあとに書いた日記で、『マーチェラ』のシーズン2が本国で放送されていると書いたんですが、ついに日本でも見れるようになりました。まぁまぁ早いのではないでしょうか。

シーズン1が2016年の夏ころだったので、約2年ぶりです。前シーズンの日記にも書いたのですが、北欧ドラマ『THE BRIDGE』のクリエーターであるハンス・ローセンフェルトが、脚本・監督をしています。ですので、イギリスドラマにもかかわらず、北欧ノワールっぽいシリーズになっています。

 

ちょっと脱線しますが、『THE BRIDGE』は7月下旬に最終シーズンがスパドラで放送されるようです。いよいよ、最後と思うと寂しいですね。

THE BRIDGE/ブリッジ シーズン4:スーパー!ドラマTV

 

以下、犯人には触れていませんが、ストーリーのことは書いています。

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女刑事マーチェラ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト 

マーチェラ(アナ・フリエル)はイギリスの刑事です。このシリーズでは、マーチェラの警察の仕事と私生活が描かれ、それらがツイストします。

ビルの屋上のオープニングシーンで、マーチェラは暗い場所にいることがわかります。彼女がなぜそこにいるのかを見るために、物語は2週間前に巻き戻ります。そして、私たちが最終的に何が起きたかを知ったとき、想像したよりもっと暗い場所にマーチェラがいたことがわかります。

 

彼女には、2人の子ども、エマ(姉)とエドワード(弟)がいます。彼らの父親ジェイソン(ニコラス・ピノック)とは既に離婚をしています。マーチェラは、元夫に暴力を振るうことがありますが、彼女はまったく覚えていません。シーズン2では、そのことを最終的にジェイソンに認めます。そして、彼女は催眠術師と治療を開始し、ブラックアウト中に失った記憶を回復しようと試みます。そもそも、ブラックアウトするきっかけとなったのは、3人目の子ども、娘を赤ちゃんだったときに亡くしたことでした。

シーズン2になると、ジェイソンはベッキー(ヨランダ・ケトル)という若くて美しい女性付き合っています。彼は子どもたちの単一親権を欲しがっており、子どもを連れて、ベッキーと転勤先のシンガポールに行きたいと考えています。

#ジェイソンにどんな魅力があるかわからないんですが、前シーズンでもそうだったようにすぐに美しい女性と付き合えるという・・、いんですけれどね。

 

そして仕事のほうでは、少年の殺人事件を捜査することになります。殺人事件を解決するまでには、何人かの容疑者、多くの手がかりを得ますが、それはときに誤った捜査、間違った推理をもたらします。それでも、エピソードごとに新しい事実が発覚し、いくつかのサブプロットによって何が起こっているか興味深いヒントを与えられます。

容疑者には、小児性愛者、金持ちの男性、往年のロックスター、社会に順応できない兄妹などが含まれていました。

#わたしは最後まで犯人がわからなかったです。でも振り返ってみると、確かに伏線はあったなぁと思います。

 

催眠術の治療の過程で、マーチェラはいくつかの手がかりを得ます。そして、最終的には、シーズン1で何が起こったのかも思い出します。また、記憶をロックした原因になった、娘の死についても解明されます。

 

シーズン3があるのを期待しています。あるとしたら、マーチェラの上司で、個人的にも付き合っていたティム(ジェイミー・バンバー)についての言及も含めてほしいです。そして、何よりもマーチェラの今後が気になります。次シーズンで彼女が何になるかは想像できますが、どういった展開になるんでしょう。

 

#今回、ポニーテールの結ぶ位置が一段と上がってきたなぁと思っていたら、最終エピソードのあのシーンのためだったんでしょうか。それにしても、最後に彼女がしたことはどういった心理だったんでしょう。コワーイ!

 

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海外ドラマ『ホームランド』シーズン7

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ワールドカップ、日本チームは頑張っていますねー。私はあまりサッカーには詳しくはないんですが、応援しています!

さて、『ホームランド』ですが、FOXで毎週見ていました。シーズン8で終了らしいので、これが最後から1つ前のシリーズになります。毎週録画して見ていたんですが、最終話は違う番組(リゾーリ&アイルズ)に変更されていたので少々焦りました。でも大丈夫、Huluで見れました。

以下、少々ネタバレ含みます。

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HOMELAND シーズン7|FOX|FOX ネットワークス

昨シーズンの終わりに、キーン大統領(エリザベス・マーヴェル)は、ソール(マンディ・パティンキン)を含む諜報機関のメンバー200人を、クーデターに関与したとして投獄しました。

シーズン7では、キャリー(クレア・デインズ)はホワイトハウスの仕事を辞め、姉マギー(エイミー・ハーグリーブス)の家に、娘と住んでいます。キャリーは得意のスパイ活動(テロリストにではなく、自国の政府に対してですが)をしています。

 

以下、感想です。

①フラニ

姉のマギーと喧嘩し、興奮してフラニーを連れて家を飛び出したキャリーはモーテルに行くんですが、カードが利用できず部屋を借りれませんでした。そんな路頭に迷った親子を救ったのはダンテでした。

ダンテの家に入れてもらい一安心するも束の間、キャリーはダンテと言い争い(何が原因だったか、もはや覚えていないんですが)を始めます。キャリーはいつもの剣幕でダンテに詰め寄りますが、それを見ていたフラニーは可愛いらしい声で母親を呼び、ダンテから引き離します。そしてキャリーにきっぱり言います。

"Don't !"

母親よりも自分たちが置かれている状況をきちんと理解しているフラニー。不遇な環境に置かれることが多かったのにエライ!

②キーン大統領

今シーズンの脚本を書いていた時点で、アメリカの次期大統領がクリントンになることを想定していたのかしら、なんて想像して見ていました。女性大統領としてのキーンは感情的・自己中心的で、魅力に欠けていました。わたしとしては、ジェンダーステレオタイプを覆すような描き方にしてほしかったなぁと思います。

③ダンテ

ダンテが逮捕される絶妙なタイミングは、まさに『ホームランド』らしいと感じました。これを見ていたら、シーズン3でブロディが捕まったときのことを思いだしました。わたしは、こういうプロットがキライです。

ダンテは確かにアメリカを裏切りましたが、その代償は大きかったですね。彼が最後にキャリーに電話で告げたことは、良心から来るものだったと思います。

④キャリー

キャリーの双極性障害に関するスレッドは今までに何度も繰り返されているので、つい「またか」と思ってしまいます。そして、クレア・デインズの演技が少々過度に見えるのはわたしだけでしょうか。

彼女しかできない「重要な」仕事のせいで、娘や姪を危険にさらしたり、PCをハッキングされたり、ミスも目立つようになってきました。

また、ダンテの尋問中にしかけた罠に対しても、ほとんど責任を感じていないようでした。大儀のためには犠牲をも厭わないというのもわかりますが、どんどんエスカレートしてきているように感じます。

 

とかいいつつも、わりと楽しんで見ていたんですが、終わってみると、結局何の話しだったんだっけ?という感じ(単に集中力の欠如かもしれません)になってしまいました。最終シーズンまで見届けたいと思います。

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海外ドラマ Showtime『ホームランド』シーズン6

BBC 料理コンテスト『ブリティッシュ ベイクオフ / The Great British Bake Off』シリーズ4

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ブリティッシュベイクオフ(ブリベイ)は2010年の放送開始以来、イギリスで絶大な人気を誇るテレビシリーズです。イギリス人なら知らない人はいないのではないでしょうか?

日本でも見れると知り、わたしが検索したときはすでに放送が終了していました。その後ツイッターで、シリーズ4の再放送を知り、さっそくDlifeで見てみることに。

そして毎週この番組を見るのが楽しみになりました。お菓子作りにまったく興味のない、私と娘を夢中にさせたシリーズです。

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ブリティッシュ ベイクオフ|【全国無料のBSテレビ局】Dlife/ディーライフ公式

 

ブリベイとはイギリス全土からケーキやパンなどのベイキングに自信のある一般から選ばれた参加者(ベイカー)が腕を競い合う、笑いあり涙ありの料理コンテストの番組です。

司会進行はコメディアンのスー・パーキンスとメル・ギエドロイクの女性二人です。彼女たちは、ベイカーたちが料理をしている間、彼らを励まし、緊張を緩和する笑いを提供します。審査員は料理研究家メアリー・ベリー(おばあちゃん)とシェフのポール・ハリウッドが担当します。

各エピソードで、ベイカーは3つの課題に挑戦します。

(1)オリジナルチャレンジ
この課題は、ベイカーが友人や家族のために作ったレシピを使います。それぞれが前もって予習をしてきているようです。

(2)テクニカルチャレンジ
事前に何を作るのは知らされておらず、会場で与えられた簡単なレシピ(温度や焼く時間などが省かれています)と材料で作成します。

(3)マスターピースチャレンジ
事前に用意したレシピで、各ベイカーがスキルと個性を競います。優れた見た目と味が求められます。

これらのチャレンジは、2日間にわたって行われます。毎週、ベイカーは審査されて、その週で最も優秀だった人が「スターベーカー」の称号を得、最も評価が低かった1~2名が脱落していきます。最後のラウンドでは、3名のベーカーが残り、その中から優勝者が決まります。

 

今までに見たことも聞いたこともないようなケーキやパイ、菓子パンなど、その作成工程を見るのは思いのほか、楽しいです。また、ベイカーたちの様々な顔を見れるのも魅力です。イギリスで絶大な人気がある理由がわかります。

 

続けて、シリーズ5が7月2日(月)20:00からスタートします。ぜひお見逃しなく。#途中から見ても楽しめますよ!

ブリティッシュ ベイクオフ シーズン5|情報・バラエティ・その他|Dlife/ディーライフ公式

夏に向けて、少し痩せなくちゃね、と思っているのに、これを見ると無性に小麦粉のお菓子が食べたくなってしまうんですよね。 わたしは作らず、もっぱら買って食べるだけなんですが。

海外ドラマ Hulu『トンネル -復讐の執行人』

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この「トンネル」は、世界的にヒットしたデンマーク&スウェーデンのドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」(現在スパドラでS4を放送中)を英仏でリメイクしたものです。リメイクはアメリカ&メキシコでもされています。 

さて、こちら「復讐の執行人」はシリーズ第3弾でもあり最終章でもあります。このシリーズを未見のわたしは、先にS1とS2を見たいと思ったんですが、Huluでは放送が終了していました。ちなみにS1のサブタイトルは「国境に落ちた血」、S2は「サボタージュ」で、各エピソード数は10、8、6となっています。

以下、犯人には触れていませんが、ストーリのネタバレはあります。

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トンネル -復讐の執行人| Hulu(フールー)

S1ではオリジナル版の"橋"が英仏をつなぐドーバー海峡"トンネル"に替わっただけで、ストーリーラインはコピーされていたようです。そして、コンビを組むのはイギリスのベテラン刑事カール(スティーヴン・ディレイン)とフランスの女刑事エリーズ (クレマンス・ポエジー)。

前シーズンを見ていなくても、二人の関係がどんなものなのかが想像できてしまうのは、「ブリッジ」を知っているからでしょうか。

 

イギリス海峡沖でフランスの漁師船で火災が発生し、そこには子どもがいた痕跡が残されていました。同じ頃、英仏海峡トンネルでは、何者かによって大量のネズミが故意に放出され、フランス人のメンテ作業員が襲われます。 

さらに、英国の中産階級の家から3人の子どもが消える事件が起きます。その後、3人は帰ってきたと思われましたが、行方不明の子どもたちのベッドで眠っていたのは、全く知らない難民の子らでした。

 

今シーズンは他のヨーロピアン・ドラマで定番になりつつある難民・移民問題がテーマの一つになっています。まだ先は長いと思って見ていたら、いきなり危機的状況になり、カールは到底不可能な選択を強いられることになります。ちょっと驚きの結末です。

 

最近、アマゾンでたまたま見たフランス映画『あしたは最高のはじまり』でクレマンス・ポエジーを見つけました。可愛らしい女性ですが、このドラマではそれを封印し、人間付き合いが苦手で不器用な役をこなしていました。「ブリッジ」のサーガほど変わった人というイメージはありませんでしたが、それがまた良かったように思います。 

そもそも、このドラマを見ようと思ったのは、英ドラマという以外にスティーヴン・ディレインを見たかったから。彼は『ゲーム・オブ・スローンズ』でスタニス・バラシオン役を演じていた人です。良くも悪くも、強く印象に残るキャラでした。後のインタビューで、彼はスタニス役を演じたことを後悔したと言っているんですね。まぁ、わかるような気もしますが、海外での知名度はあがったのではないでしょうか。

 

来月はまた娘と旅行に行く予定を立てているので、今はそちらの下調べをしなくちゃと思っています。とは言っても、たいしたことはしないんですけれどもね。9月に休みをとるため、8月は休まず仕事です。お盆は通勤電車がすいていて良いですね。

 

海外ドラマ『THE BRIDGE/ブリッジ』シーズン4 そしてオーレンス橋

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前の日記に書いたんですが、先月娘とデンマークスウェーデンフィンランドの3カ国をめぐる北欧旅行に行ってきました。旅行2日目、コペンハーゲンからスェーデンに渡り、その帰り道に『THE BRIDGE』の舞台になっているオーレンス橋をバスで渡ってきました。この橋はデンマークの首都コペンハーゲンスウェーデンのマルメを結んでいるんですが、どうしてもマルメからコペンハーゲンへ渡りたくて、ぐるっとまわってマルメからバスに乗りました。旅行記に書いたので、よかったら見てください。
mina66.hatenablog.com


さて、ドラマはついにファイナルシーズンが終了しました。旅行から帰ってから、最終エピソードを見ました。以下、ネタバレ含みます。
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Bron | SVT.se
サーガは制限された環境に対処していましたね。なんとなく想像はしていたものの、その姿は痛々しいものでした。その頃、政治的な問題に直結しそうな儀式的な殺人事件が起き、ヘンリックは捜査に乗り出します。犠牲者は、デンマーク入国管理局の局長マーガレテ・トアモウ。イラン人の追放訴訟で勝利したことをシャンパンで祝っている映像が流れたあとスキャンダルに巻き込まれます。

そのひどい殺人はほんの始まりでした。イランの反体制派のタリリックが、コペンハーゲンのゲイバー・ネットワークの助けを借りてマーガレテの追放命令をなんとか回避しようとしたり、スウェーデンの左派勢力グループ、レッドオクトーバーによるネガティブ・キャンペーン、薬物中毒で残忍なタクシー運転手の妻と息子の失踪など、事件はいくつものイベントが交錯し、複雑になってゆきます。

サーガは刑務所内で襲撃されましたが、どうにか生き残りましたね。まさかここで死んでしまうとは私も思っていませんでしたが。その後、刑事に復帰できるかどうかの評価テストを受けて、彼女は復職します。サーガはヘンリックの依頼で、コペンハーゲンでマーガレテ殺人捜査に参加することに。

彼女はチームに入ってすぐに、壁にあるすべての写真と情報を自分好みに並べ替えます。サーガが唯一困惑したのは、コペンハーゲン警察署のフリーアドレス制のようでした。数日後にサーガは自分専用の机を持ち込みます。

サーガが自分のアパートを借りるまで、ヘンリックはサーガに自宅の鍵を渡します。彼らの距離がさらに縮まったことで、サーガは行方不明になっているヘンリックの妻子について再び関心を寄せ、彼女は自分で調査を開始します。


10代の姉妹が通行人のバッグから銀のスマホを盗むのを私たちは目撃します。彼女たちの盗んだスマホはマーガレテ殺人に関連して使われていたことがわかりました。二人は尋問のためコペンハーゲン警察に連行されます。はい、私はストリードチルドレンのジュリアとイーダを見て、これはもしかしたらヘンリックの娘たちでは?と思いました。そうであってほしいと。しかし、、違っていました。ヘンリックは後に、自分の子だったら見た瞬間にわかると言っていましたね。

施設に預けられなかった彼女たちを一晩だけヘンリックの自宅に泊めたエピソードは、心温まるものでした。けれども、彼女たちがその後にしたことはヘンリックを落胆させます。

今シリーズで最も驚いたのは車中でサーガがヘンリックに放った一言です。まるで今朝何を食べたかを話すくらい普通に妊娠していることを告げました。そのときのヘンリックの顔といったら。ショックから立ち直り、まず確認したのは、自分が父親なのかどうかということでした。サーガの返答は「この2年間はあなたとしかしていない」。

サーガは子育てには向いていないけれど、ヘンリックが育てればいいじゃない?サーガは母性はないかもしれないけど、母親としてやっていけるんじゃない?とか私は思うわけです。期待してしまいましたけれど、実際にはそうはなりませんでした。なぜなら、サーガがヘンリックに恋をしてしまったから。「恋をしている」というサーガに、ヘンリックは「そんなはずはない」と反論します。ヘンリックは冷たいように思うかもしれませんが、サーガがしたことへの怒りと喪失感はよく理解できます。


シリーズの最終エピソードはハラハラしましたが、全体として良かったと思います。最後、橋の上でふっきれたようなサーガの横顔が印象的でした。また10年後とかに再開してくれないかなぁと思うのは私だけでしょうか。


ほかの北欧ドラマをいくつか紹介します。
『ボーダータウン 犯罪が眠る街』Netflix
フィンランドとロシアの国境付近の田舎町ラッペーンラッタという町が舞台です。ひょろっとした中年刑事が主人公。途中まで見ました。
『DEADWIND: 刑事ソフィア・カルピ』Netflix
女刑事ソフィア・カルピは、ヘルシンキにあるゼネコンと関わりを持つ女性が殺された事件の捜査にあたります。1話のみ鑑賞済み。
『BELOW THE SURFACE深層の8日間』スーパー!ドラマTV
先週から始まったコペンハーゲンのドラマ、面白くなるでしょうか。

海外ドラマ『グリム』ファイナルシーズン6

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シーズン6まで続いたグリムはついに終了を迎えました。最後のエピソードの放送から時間が経ってしまいました。ファンタジーが少々苦手の私ですが、グリムは最後まで面白かったです。これはやはり日記に書いておかねば、、、。以下ネタバレ含みます。 

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GRIMM/グリム ファイナル・シーズン

最終シーズンはメインキャラ全員が結束し、敵のツェアシュテーラー(Zerstoren)と戦うというストーリーになっていました。メインのキャストたちは、シリーズ途中で追加されることはあっても、減ることはありませんでした。紆余曲折あった各メンバーが、最後に1つになったのは、『グリム』ならでは、という気がします。

 

全シリーズを振り返ると、最も変わったのはアダリンドではないでしょうか。最初のシーズンではレギュラーではなかったのでは?レナードに仕える悪役として登場し、ニックやニックの恋人ジュリエットを騙し、ひどい仕打ちをしてきました。

その後、レナードの娘を妊娠し、海外で娘ダイアナを出産しますが、すぐに引き離されてしまいます。王家と取り引きし、グリムの能力を奪うためにニックに罠を仕掛けたことで、思いがけずニックの子どもを妊娠(そんな予感がしました)。そして息子ケリーをもうけると、ニックと互いに愛情を感じるようになってゆきます。

また、元々はニックの恋人、ジュリエットも数奇な人生を歩むことになります。彼女はニックをグリムとして復活させる過程でヘクセンビーストになってしまうのです。一時はアダリンドやニックを憎み、強力な力を持ったことで人格までも変貌します。しかし秘密組織に属し、戦闘員イヴとして生まれ変わったあとからは、彼らに対する恨みはなくなったようでした。

今シーズン、そんなアダリンドとジュリエットが親友のように相談しているシーンがありました。私はそれを見て何とも言えない気持ちになりました。二人がこんな風になるなんて誰が想像できたでしょう。

イヴが徐々にジュリエットに戻っていく様子を見て、ニックがどんな対応をするか、気になる人も多かったのはないでしょうか。もしかしたら、ジュリエットと元さやに?アダリンドはどうなるの?など、私の(人間レベルの)心配をよそに、ニックはアダリンドを妻のように大切にし、ジュリエットを親友のように気にかけていました。

 

さて、今シーズンのフィナーレでは恐ろしいことが起こります。ドラマとわかっていても、私はニックと共に感情のジェットコースターに乗って途方にくれました。あとになって、彼らが全員無事に生還したときはホッと胸をなでおろしました。

ニックの母親ケリー(メアリー・エリザベス・マストラントニオ)と叔母マリー(ケイト・バートン)のカメオ出演にはびっくりしました。これはファンにとって嬉しいサプライズとなりました。

また、最後に20年後へと飛躍したシーンも良かったですねー。ケリーとダイアナが大人に成長し、両親と共にヴェッセンと戦っていることを知り嬉しかったです。そして二人の会話に出てきたモンローとロザリーの三つ子のことを聞いて、温かい気持ちになりました。

グリムの家族の絆は、たとえポートランドが依然としてヴェッセンに脅かされていたとしても、強固に保たれているのは間違いないようです。

 

それから・・
何度も敵になったり味方になったりして、様々な顔をみせてくれたレナード警部、ニックと固い信頼で結ばれていたハンクとウー巡査部長、いつも仲良しのモンローとロザリー、いざというときに助けてくれるトラブル、みんな大好きなキャラクターでした。

そして、このドラマを牽引した主人公ニック・ブルクハルト役のデヴィッド・ジュントーリのパフォーマンスの高さに拍手を送りたいです。

 

海外ドラマ BBC『ボディガード -守るべきもの-』

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ボディガード -守るべきもの-』は、6つのエピソードからなる英国のスリラードラマで、現在Netflixで配信されています。『ライン・オブ・デューティ』(LOD)のクリエイター、ジェッド・マーキュリオの新シリーズということで、LODの1ファンとして日本で放送されるのを楽しみにしていました。

ですが、ドラマの内容やキャストについてはまったく知らずに見たので、主人公のボディガード、デイビッド役が『ゲーム・オブ・スローンズ』(GOT)でロブ・スタークを演じたリチャード・マッデンだと途中まで気付きませんでした。GOTとは全く違う顔を見せていましたねー。

LODから引き続き出演していたのは、女性政治家役のキーリー・ホーズ、警視庁のテロ対策部長役のジーナ・マッキー。LODは現在シーズン5の撮影に入っているそうですが、この二人が今後LODに登場することありません。

この「ボディガード 」の緊張を強いられる強烈なオープニングシーンは、さながらジェイソン・ボーンやボンドシリーズの映画のようでした。最初のエピソードで、視聴者の心をしっかり掴んだのではないでしょうか。

以下、ネタバレ含みます。
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ボディガード -守るべきもの- | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
BBC One - Bodyguard

アフガニスタン帰還兵にしてロンドン警視庁の巡査部長デイビッド・バッド(マッデン)は、偶然乗り合わせた列車でイスラム教徒による自爆テロを機転を利かせて防ぎます。この功績でバッドは、野心的な女性内務大臣ジュリア・モンタギュー(キーリー・ホーズ)の警護に就く仕事に任命されます。けれども、守るべきその要人は、彼のトラウマの元となった英軍の海外派兵を推進するの中心人物でした。バッドは自分がPTSDを患っていることを隠して任務に就きます。

新しい仕事は、予測もしなかったことが起こり複雑になっていきます。ディビッドとジュリアの間に起こる化学反応(私にとってこれが一番予想外)はもちろんのこと、暗殺未遂、職場での脅迫やスパイ活動など。そして、ロンドン警視庁の対テロリズムSO15のアン・サンプソン(ジーナ・マッキー)と、MI5のスティーブ・ハンター(スチュアート・ボウマン)の組織間の対立も描かれます。ジュリアが開いた会議の終わりで、サンプソンがカウンターパートに対し「ファック・ユー・スティーブ」と言い放ったのは、なんとも印象的でした。アメリカならあり得そうですがBBCですよ。いずれにしても日本では(思うことはあっても!)あり得ないことです。


LODと同じく、このシリーズには信頼できる人が登場しませんねー。デイビッドを含む皆がグレーに見えます。もし例外を挙げるとしたら、デイビッドと別居中の妻ヴィッキーでしょうか。マーキュリオのストーリーはどれも慎重に構築されていて、登場する人物スケッチは曖昧なので、最後まで誰が黒なのかわかりません。そこかしこにフラグがあるようにも思えるし、想像だにしていない逆転があるようにも思えてしまいます。

最後のクライマックスはいささか飛ばし過ぎ感はあるものの、考えてみればここにきて時間を割かれては、見ている側はイライラしてしまいそう(少なくとも私はね)。デイビッドの爆弾解除までの描写にはしつこいくらい時間をかけていました。どのシーケンスにどのくらい時間を割くか、きっと入念に計算されているんでしょうね。


私が「ボディガード」のデイビッドと「GOT」のロブ・スタークが全くリンクしなかったのは、ある意味、彼にとっての成功だったのではないでしょうか。印象に残る彼の声と話し方は、はじめて聞いたように感じました。

デイビッドは、一見利発そうですがその一方で鈍感にもみえます。また、少年のような顔を見せたかたと思うと、いい歳のおじさんにように感じたりもしました。その掴みどころのない印象は、物語に微妙な影を落とし、謎を深めたようにも思います。絵に描いたようなハンサムでない(個人的な意見です!はい)のも、(余計なお世話ですけれど)今後幅広い役をこなせそうです。シーズン2も、もちろん製作されますよね?


このドラマに出演したことで、リチャード・マッデンは次期ジェームズ・ボンドの候補者リストのトップに上がったというニュースを見ました。それ、いいかもしれませんね。

今、私が見たいと思っているBBCドラマ:
Killing Eve – BBC1
Black Earth Rising – BBC2
Press – BBC1

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海外ドラマ BBC『ライン・オブ・デューティ/Line of Duty 』
海外ドラマ 『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン6


海外ドラマ ITV『刑事モース~オックスフォード事件簿~』Endeavour シーズン5 Epi3(Case20)

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WOWOWで見ました。最近はモースを見るためだけのWOWOWになっています。なぜか2話ずつ公開されるので、段々と何シーズン目なのかわからなくなってきました。こちらのCase20『殺意を誘う列車』(Passenger)はシーズン5のエピソード3、続くエピソード4は今年2月にロンドン旅行に行ったときにテレビで放送されていたCase21『失われた英雄』(Colours)です。そのときは眠ってしまったんですが、やっと日本で見ることができました。

通常は1シーズンに4つのエピソードですが、このシーズンはエピソードが6まであるので、ちょうど中間のエピソードになります。オックスフォード市警は他の部署と統合されてテムズ・バレー警察になっています。モースが捜査中に名乗るときに言う「テムズ・バレー警察のモース巡査部長」が、まだピンときません。そのうち慣れるでしょう。

以下、ネタバレ含みます。
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Endeavour - Watch episodes - ITV Hub

このエピソードでは2つの事件が描かれます。駅の貨物操車場でトラック運転手が何者かに殺され、積み荷が奪われる事件と、女性の失踪事件です。トラック運転手の事件は強盗課と合同捜査をすることになり、新米の刑事巡査ジョージ・ファンシーがアサインされます。強盗課から来たDIボックスとDSドーソンは、この時代背景に程よくマッチするハラスメント・コンビになっています。

一方でモースは失踪事件を担当します。失踪したのブティックの店員、フランシス・ポーター。夫と妹が心配し警察に届け出ます。失踪したその日、フランシスは店の服や靴を借り、妻子あるドンという男と会っていたことがわかりました。

モースはフランシスが最後に目撃された場所から列車のルートをたどり、閉鎖された駅を見つけました。そして、もう使われていないプラットホームの倉庫で、フランシスの死体を発見します。死体の様子から、オックスフォード・メールの編集長フレーゼルは、4年前に起きたリンダ・グレシャムの殺人事件とのリンクを疑います。


フランシスが勤めていたAlice's Marmalade Catというサイケデリックな店や女性のヒッピーファッションの雰囲気と今回のエピソードで取り上げられた年代ものの列車の落ち着いた装飾の雰囲気は対照的で、コントラストが効いていました。

モースというとオックスフォードの美しいシーンが多いですが、このエピソードで最も印象的だったのは、ジョアンとモースの屋上シーンです。ジョアンは新しい住まいから見える尖塔の風景をモースに一目見せようと、フラットパーティに訪れた彼を屋上へ連れ出します。「この眺めに惹かれたの」と言うジョアン。彼はジョアンとは離れた場所から彼女とその背景を見ています。「そこじゃ見えないでしょう?こっちに来て」という言葉にモースは「君がこっちに来て」と返します。

その後、ジョアンに「会わせたい人がいるの」と言われたときのモースの表情。知り合いの女性をモースにセッティングしようとするその提案は、遠まわしではあるけれど決定的な拒絶でもありました。モースは期待し続けているけれど、ジョアンはそれに応える気はなさそうです。躊躇い、ショック、悲しみに蓋をして、礼儀正しく振舞おうとするショーン・エヴァンスの繊細な演技は素晴らしいですねー。モースはパーティに来たばかりなのに、仕事を理由にその場を立ち去ります。あぁモース、もうジョアンのことは放っておきましょうよ。

モースは悲しい結果になりましたが、新米刑事ジョージとトルラブ巡査は温かい交流を深め、さわやかカップルになりそうです。

最終シーンではロバート・ケネディが暗殺されたというニュースがラジオで流れ、タイムスタンプが付きました。この年、1968年はマーティン・ルーサー・キングが暗殺された年でもありました。

www.youtube.com


海外ドラマ『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』シーズン1
海外ドラマ『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』シーズン2
海外ドラマ『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』シーズン3

2018年ベスト海外ドラマ

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しばらく書けていませんでしたが、やっと時間ができたので、2018年の海外ドラマをちょっとだけ振り返ってみたいと思います。かなり偏りがあるので、参考にはならないかもしれませんが、、。タイトル後ろは、私が視聴したチャネルです。

2018年の新ドラマ・ベスト5.

今年の新作海外ドラマベストです。

1.マインドハンターNetflix
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もろ私好みのドラマ。「Mindhunter:Elite Serial Crime Unit」という本をベースにした、FBIの行動科学ユニット設立当時の物語。『セブン』や『ドラゴン・タトゥーの女』のデビッド・フィンチャーが製作総指揮・監督したことでも話題に。次シーズンが待たれる。

2.ボディガード -守るべきもの-』Netflix
私のひいきドラマ『ライン・オブ・デューティ』のジェド・マーキュリオによる新BBCドラマ。これをきっかけにリチャード・マッデンの株は一気に上昇。次のJボンドになるかも?

3.トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン 』Amazonビデオ
トム・クランシーの小説のキャラクター、ジャック・ライアンをドラマ化した力作。主演・監督・脚本・製作総指揮の『クワイエット・プレイス』がヒットし、知名度がアップしたジョン・クラシンスキーが主演し、シーズン2が決定。

4.『ザ・テラー 極北の恐怖 / The Terror』Amazonビデオ
AMCのホラードラマ。ダン・シモンズのベストセラーが原作。19世紀中頃、英国の北西航路発見を目指した探検隊の物語。ホラーというよりは、残酷な状況に置かれた男たちの物語として視聴。次シーズンは日本人コミュニティの話しとか。見たいような見たくないような。

5.『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス:The Haunting of Hill House』Netflix
スティーヴン・キングから「ほぼ完璧」と言わしめたストーリテーリングで見ているものを惹きつけるドラマ。ただの幽霊屋敷の話しに留まらず、5人の子どもたちを含む家族の物語になっており、時空を越えたリンクが見事、エンディングも良かった。次シーズンは?

シリーズ・ベスト5.

シリーズを通してのベストです。1.以外は今度もずっと見るつもり。

1.『THE BRIDGE/ブリッジ』Super!dramaTV
遂に終わってしまったブリッジ。始まった当初から北欧という珍しさもあり、新鮮で衝撃的な内容に釘付け。このドラマの影響で、コペンハーゲン・マルメへ旅行し実際に橋を渡ったほど。Amazon Primeでシーズン3まで視聴可。

2.『ライン・オブ・デューティ/Line of Duty 』Netflix
ここでベタ褒めした英ドラマ。脚本が秀逸。悪役をこなす側の俳優陣のパフォーマンスが見もの。AC-12による古典的な尋問シーンでは緊張がピークに。英国ドラマの底力を感じる作品。来年には次のシリーズ5が配信される予定。

3.『刑事モース~オックスフォード事件簿~』WOWOW
英ドラマの定番、主任警部モース⇒ルイスは警部に続くシリーズ。主任警部モースの若かりし頃の活躍を描く。主な舞台は1960年代後半のオックスフォードで、主演のショーン・エヴァンスの演技が控えめだけれど素晴らしい。

4.BOSCH/ボッシュAmazonビデオ
マイクル・コナリーの小説「ハリー・ボッシュ・シリーズ」をテレビドラマ化。現在はシーズン4までAmazonで視聴可能。サブ的な話しが少々長く感じることもあるが、古き良き刑事ドラマとしての魅力が満載。シーズン5は2019年放送予定、シーズン6も決定。Amazonオリジナルの最長作品に。

5.『ブリティッシュベイクオフ / The Great British Bake Off』Dlife
たかが菓子作り、されど菓子作り。イギリス全土から集まった素人たちがベイキングの腕を競う。シーズン6が1月14日からスタート。10週かけて優秀者が選ばれたあとに審査員がお手本を作るマスタークラスもまた楽しい。

2019年の海外ドラマ

最近はWOWOWを見る機会が減っていますが、2019年1・2月は面白そうなラインナップが続きます。

1.『キリング・イブ:Killing Eve』2/6~
グレアナのサンドラ・オーがMI5の職員を演じるノンストップサスペンスドラマ。美しく一癖ある役が多いジョディ・カマーが見たい。

2.『キャッスルロック:Castle Rock』2/2~
スティーブン・キング×JJエイブラムスのヒットメーカーが送るダーク・ミステリー。架空の町、キャッスルロックで起きる事件の数々。シーズン2も決定しているのだとか。

3.『カウンターパート』2/12~
クローザーの J・K・シモンズ主演のスパイ・スリラー。国連諜報機関で働く男が、自分とうり二つの諜報員に出会い、組織が隠す秘密を知る。

4.『コンドル~狙われたCIA分析官~』1/1~
主演はジェレミー・アイアンズの次男マックス・アイアンズ。1975年ロバート・レッドフォードの「コンドル」のリメイク。

WOWOWに期待しつつも、スターチャンネルも気になります。Amazonで始まったスターチャンネルEXに加入しようか思案中です。14日間も無料体験できるようなので、まずは『KIZU-傷-』を見てみようかしら。

海外ドラマ『コンドル~狙われたCIA分析官~』

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元日と2日にWOWOWで一挙放送していたアメドラです。ジェームズ・グレイディの小説「コンドルの六日間」をドラマ化したもので、1975年にはロバート・レッドフォード主演で映画化もされていますが、さすがにこれは見ていないですね。主演は英俳優のマックス・アイアンズ、ジェレミー・アイアンズの次男です。父親にはあまり似ていないように思います。
見逃した方は、WOWOWオンデマンドでオンラインでも見れますし、これから帯放送も予定されています。

以下ネタバレ含みます。
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WOWOW コンドル~狙われたCIA分析官~

主人公のジョー・ターナー(マックス・アイアンズ)は、CIAのフロント機関”IEPデータ分析センター”でアナリストとして働いています。2年前にジョーが同僚と開発した、潜在的テロリストを発見するプログラムが、今までノーマークだったサウジアラビア出身のある男について警告を発します。男はアメフトの試合が開催されているスタジアムで殺人ウイルスを散布しようとしている疑いがあり、スタジアムの駐車場で特殊部隊に射殺されます。

ジョーの叔父で、CIA職員でIEPの責任者でもあるボブ・パトリッジ(ウィリアム・ハート)は、同一ウィルスを使った次のテロを阻止するためIEPに分析を依頼します。ジョーはバイオテロと製薬会社の株価に関連を見出すのですが、そのことがきっかけでIEPが銃で武装した2人組に襲われます。

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Condor | An AT&T Original Series on AUDIENCE Network

前半はかなり面白く一気見しました。CIA・FBIのドラマとしてはリアリティに欠けるような部分もあって気になるんですが、それでも追っ手から逃げて、出会い系サイトで知り合い、一度だけそれも15分くらいデートしたキャシー・ヘイルの家に逃げ込むくらいまでは、贅肉のない効率的なストーリーでスリリングでした。

CIAの訓練を受けていないプログラマのジョー(映画ではタイトルのCondorがコードネームだったのではなかったですか)という設定のせいか、単にマックス・アイアンズが若すぎるせいか、テロを阻止するヒーローとは言い難く(少なくともファースト・シーズンでは)、アクション・シーンもほとんどありません。そしてあまりにも多くの人が死んでしまいます。

事件から1年後、ジョーはCIAを辞めて、キャシー・ヘイル似のGFとフィレンツェに住んでいるようですが、いやー、どうなんでしょう。周りが気にかけて出会い系サイトに申し込むくらいGFを作らなかったジョー、大きな痛手を負ったわけですから、そこは一人暮らしで良かったのでは?などと思ってしまうのは野暮でしょうか。このドラマを楽しむためには、あくまでもジョーが中心のエンタメ作品として捉える余裕のようなものが必要かも。

ジョーの叔父役のウィリアム・ハートは、年をとっても素敵でしたが、私はしばらくの間、英俳優のビル・ナイと勘違いして見ていました(似ていると思いませんか)。上の写真のウィリアム・ハート(右)と小柄なCIA副長官のボブ・バラバンの二人が良い味出しています。シーズン2が放送されればたぶん見ると思います。

海外ドラマ 『KIZU-傷-』SHARP OBJECTS

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HBOの新作はほぼスタチャンが独占放送しているので、契約をしていない私は見ることができませんでしたが、最近『スターチャンネルEX 』というサービスを知りました。月額900円で、Amazonプライムスタチャンの海外ドラマ(映画も)が見れるようになるサービスです。
Prime Video チャンネル | スターチャンネルEX

このサービスを申し込み、早速視聴したのが『KIZU-傷-』です。これは、イヤミスの傑作『ゴーン・ガール』の著者ギリアン・フリンのデビュー作をHBOがドラマ化したものです。原作の小説は2007年度にCWA(英国推理作家協会賞)最優秀新人賞と最優秀スリラー賞をダブル受賞しています。ドラマは『ビッグ・リトル・ライズ』のジャン=マルク・ヴァレが全8話を監督、今回も短いシャープなフラッシュバックを効果的に使っています。

以下ネタバレ含みます。
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Sharp Objects | Trailers, Characters, Behind the Scenes & More | HBO

ミズーリ州の小さな町ウインド・ギャップ(架空の町)で、昨年に続き少女の失踪事件が起きます。その町の出身という理由で、セントルイスの新聞記者カミール(エイミー・アダムス)は、編集長フランクから取材をしてくるように命じられます。仕事のため帰郷し、母と継父と異父妹が暮らす御殿のような実家に寝泊りすることになった彼女は、思わず妹の死を回想することになります。

アルコールや過度な自傷行為で、精神科病院から退院し現場復帰した記者カミール、養豚場を経営する地元の名士で外向けには社交的だけれども子どもには支配的な母アドーラ(パトリシア・クラークソン)、地元の警察署長、都市から派遣された刑事、そして情緒不安定な義理の妹のアマ(エリザ・スカンレン)など、南部ゴシックを彩るキャラクターがたくさん登場します。

ベテラン俳優パトリシア・クラークソンや演技派女優のエイミー・アダムスに負けずとも劣らないのは、新人のオーストラリア出身のエリザ・スカンレン。最終話でエンドロールが出てきても、続きがあるので注意!最後までお見逃しなく。


www.youtube.comメリル・ストリープエイミー・アダムスが主演した2009年の映画『ジュリー&ジュリア』のトレイラーです。当時観たときは、料理に使うバターの量に驚きました。今見てみると、エイミー・アダムスが可愛いー。それに夫役は、『KIZU-傷-』でカミールと関係を持つ刑事役のクリス・メッシーナだったですね。今回のキャスティングは偶然でしょうか。

海外ドラマ 『プレス 事件と欲望の現場』Press

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AXNミステリーで1/6(日)に先行一挙放送をしていたのを録画して毎日見ていました。『女医フォスター』のバートレットが書いた話題作で、昨年秋にBBCで放送されました。2つの新聞社を舞台にジャーナリストの奮闘や葛藤を描いた全6話のミニシリーズです。

主演は、AXNミステリーで昨年放送していた、やはりBBCの『アップル・ツリー・ヤード』で謎多きミスターXを演じたベン・チャップリン。灰汁の強い役どころで素晴らしいパフォーマンスを披露しています。もう一人はシャーロット・ライリー(下の写真の右)、日本では俳優としてより、トム・ハーディの奥様としてのほうが有名でしょうか。

以下ネタバレ含みます。
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プレス 事件と欲望の現場 | AXNミステリー
BBC One - Press

このシリーズは、対立している2つの新聞社、リベラル紙「ヘラルド」とタブロイド紙の「ポスト」が舞台になっています。それぞれのオフィスは広場を挟んで向かいにあり、ビルの窓から相手の会社が見れるんですね。ヘラルドは高潔だけれども慢性的に財政難になっており、オフィスは古くて地味、社員もカジュアルな格好で日々奮闘しています。もう一方のポストはゴシップや中傷記事もなんのその、発行部数が多く、売れているのでオフィスもきれいでスタイリッシュ、社員もビシッとしたスーツを着ています。とても対照的に描かれます。

優秀で勤勉な記者ホリー・エヴァンズ(シャーロット・ライリー)は、ヘラルドで副編集長をしています。彼女は個人的な理由もあり、ひき逃げ事件を追っています。そして、その証拠映像をポストが入手したことを知り編集長のダンカンに掛け合います。その頃、ポストの新人記者エド(パーパ・ エシエデュ)は、自殺した人気サッカー選手の実家に押しかけインタビュー取材を試みます。記者がはじめて取材のためにドアをノックすることを、デス・ノックと呼ぶらしい。あぁ、怖い。

私は4話が終わったところで、続きを見るのはやめようかしらと思い、しばらく放っていました。ホリーの行動にがっかりし、その先を想像したら見る気がなくなってしまったんです。けれども、先日HDDに残っていた続きを見たら、これがかなり面白い!勝手に推測したようなスクリプトにはなっていませんでした。話しがどちらに転ぶかわからず、はらはらし通しでした。

新人のエドは、最初こそ可愛かったんですが、後に私は彼に向って何度も「コラー!」と言わなくてはなりませんでした。ダンカンに対しては、何度も「きも!」(失礼)と思いましたが、ベン・チャップリンは好きになりました。ポストのオーナーがデヴィッド・スーシェなので、新聞社にポアロがいるような気がしてしまうのですが、存在感は抜群でした。


納期が近づくと毎度大変な思いをしている私としては、毎日ニュースを発信し続けるなんて想像しただけでもぞっとしてしまいます。英国では、ヘラルド vs ポストは、Guardian vs Sun だという見方が多いようです。シーズン2はあるのかしら。続きを見たいです。

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